足がつる・こむら返りが起こるのはなぜ?

運動をしているときや寝ている時に突然足がつってしまった経験はありますか?

患者さんから「寝ていたら急に足がつって痛みで起きてしまいました」や「運動をしていると足がつってしまいます」というお話をよく聞きます。

今回は足がつるというのはどういう状態でなぜ起こるのか、その原因と対策についてお話しします。

本日の執筆担当は理学療法士の伊藤です。

「足がつる」というのは筋肉が強い収縮を起こしている状態で、医学的には「有痛性筋痙攣」と呼ばれています。 普段、筋肉は脳・脊髄から信号が出て縮んだり緩んだりしていますが、何らかの原因で自分の意思と関係なく筋肉が縮みすぎてしまった時に痛みを伴いつっている状態となります。

その原因としては、

・激しい運動や長時間の運動での筋疲労

・筋力低下・筋肉の柔軟性低下

・脱水・ミネラルの不足

・血流の低下

・脊柱・椎間板の変形

・病気や薬の副作用

などが挙げられます。

筋肉の疲労、柔軟性の低下による問題

運動量が多いスポーツでは試合中や練習中に足がつってしまう場面をみることがあります。運動により筋肉に疲労が蓄積していることが足がつる原因になります。

それ以外にも、普段運動不足の人が急に運動をした時、加齢によって筋力が低下している時、ストレッチ不足や運動不足で筋肉が固くなっている時などにも起こりやすくなります。

脱水・ミネラルの不足

カリウム、マグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどのミネラルは身体の中で重要な役割を果たしています。

汗をかいたり、水分摂取量が少ないと体内の筋肉や神経の働きを調整する電解質(イオン、ミネラル)が不足し、ミネラルバランスが崩れた状態になりつりやすくなります。

血流の低下

こむら返りと聞くと寝ている時を想像する方も多いのではないでしょうか。

睡眠時は全身をほとんど動かさないため、血行は悪くなっています。

さらに冬場は寒さ、夏場は冷房をつけたままで寝ることで血行はさらに悪くなります。その状態で寝返りなど筋肉に刺激が加わった時につってしまいます。

一方で、暑い時に冷房をつけないで発汗量が多くなり、ミネラルが不足することもつりやすくなる要因となります。

脊柱、椎間板の変形

加齢などで背骨の変形や椎間板のクッション機能が低下してしまった時、腰の神経が圧迫されることで筋肉がつりやすくなることがあります。

足がつってしまった時はどうすれば良い?

つってしまった時はストレッチをするのが効果的と言われています。縮みすぎてしまった筋肉を伸ばすことで症状が改善しやすくなります。

また、普段からストレッチを習慣化することで予防効果もあります。

簡単にできるストレッチをいくつかご紹介します。

☆ももの裏(ハムストリングス)のストレッチ

ももの裏を伸ばすときは、膝を自然に伸ばした状態で身体をゆっくり前に倒します。 この時に背中を丸めすぎないことがポイントです。 

☆ふくらはぎのストレッチ

ふくらはぎを伸ばす時は、膝を伸ばし、両足のつま先が前を向いた状態で行います。

伸ばす方の足の踵がしっかりと床についていることがポイントです。

ストレッチをするときは反動をつけるのではなく、呼吸をしながらゆっくりと持続的に伸ばすことを意識してみて下さい。

その他にも、水分やミネラルの補給で脱水症の予防、適度な運動をすることで筋力をつけたり、血流を改善することも大切です。 これから暑くなり、熱中症や脱水症が起こりやすい時期になりますので、こまめな水分補給と同時にミネラルをとるよう心がけてみて下さい!