『当院における前十字靭帯再建術前後のリハビリテーションについて①』

前十字靭帯損傷という怪我を、スポーツをされている方は、一度は耳にしたことがあるかもしれません。前十字靭帯損傷はスポーツを続けていくために、手術が必要となり、その後、スポーツに復帰するためにリハビリテーションを行っていきます。今回のblogでは、『当院における前十字靭帯再建術前後のリハビリテーション』について3回に分けてお話を致します。

本日の執筆担当は理学療法士の藤井です。今回は少し長いお話となりますが、最後までお付き合い頂けますと幸いです。

まず、前十字靭帯はどんな役割をしているのかというと、膝関節には主に4つの靭帯が存在し、膝関節の安定性に関与しています。その中で一番損傷しやすい靭帯が前十字靭帯となります。

前十字靭帯は、スポーツの動きの中で、膝が内側に入る『knee in』により損傷すると言われています。術後のリハビリテーションでは、この『knee in』を如何に予防するかが重要になります。

当院では、他院で行われた前十字靭帯再建術の手術後の患者さんのリハビリテーションを実施しています。患者さんが手術前に行っていたスポーツに、安全に、早期に復帰できる様に、手術を行なった病院の方針に則り、リハビリテーションプログラムを立案し、提供しています。

ここからは、前十字靭帯損傷に対するリハビリテーションの流れについてお話しします。

【手術前のリハビリテーションについて】

前十字靭帯損傷は、膝関節の腫れや痛み、膝関節の曲げ伸ばしの制限、膝の不安定感や膝崩れ(膝が歩いているとカクッとなり力が抜ける)などの症状があります。

手術前は、できる限り膝関節の状態の改善や怪我により落ちてしまった身体の機能の改善を図ります。事実、手術前の膝関節の可動域に制限が残ると、手術後の経過が悪くなることが報告されています。

手術前のリハビリテーションでは、炎症の管理をしながら膝関節の可動域の改善を主に行い、状態により、スクワットなどの筋力トレーニングや動作獲得も含めて治療を行い、手術後のリハビリテーションを円滑に行える様にしていきます。

手術後のリハビリテーションについては、『当院における前十字靭帯再建術後のリハビリテーションについて②』をご覧下さい。