脱力の方法について
「力みすぎてるから肩の力を抜いて」と言われたけど肩の力の抜き方がわからない。「力を抜いて、脱力して」と言われても、もうすでに自分では力を抜いているつもりなんですけど…?というように、脱力の仕方がわからないという方は多くいらっしゃると思います。
そういった方でも簡単に自宅でできる、脱力の仕方についてご紹介します。
本日は理学療法士の高橋が執筆を担当します。よろしくお願い致します。
脱力は体を休める時に行うだけでなく、効率よく身体を動かす・力を伝達するためにも重要な身体操作になります。そのため、医療の分野だけでなく、スポーツ・武術・ヨガ・といった様々な分野で様々な訓練法があります。
いくつかご紹介すると、自己暗示をかけてリラックスする”自律訓練法”、ヨガであればヨガの最後に行う”シャバーサナ”、武術であればほぼ必ず呼吸・姿勢の訓練法があり、その中で脱力の訓練を行います。中でも、自宅で気軽にできるリラクゼーション法(漸進的筋弛緩法)のやり方をご紹介します。
※注意!体力低下、疲労が強い方がリラクゼーション法を行うとより症状が強くなる可能性があるため、そのような方は行わないようにしてください。
①基本動作
各部位の筋肉に対し、10秒間力を入れ緊張させ、15~20秒間脱力・弛緩する。
②身体の主要な筋肉に対し、この基本動作を順番に繰り返し行っていく。各部位の筋肉
がゆるんでくるので、ゆるんだ状態を体感していく。
1.両手/両腕を伸ばし、掌を上にして、親指を曲げて握り込み緊張させる。手をゆっく
り広げ、膝の上において、脱力する。
2.上腕/握った握り拳を肩に近づけ、曲った上腕全体に力を入れ緊張させる。その後腕
をおろして脱力する。
3.背中/2と同じ要領で曲げた上腕を外に広げ、肩甲骨を引きよせるように緊張させ、そ
の後下に戻して脱力する。
4.肩/ 両肩を上げ、首をすぼめるように肩を緊張させる。その後、方を戻して脱力する。
5.首/ 右側に首をひねり緊張させる。正面に戻し脱力する。左側も同様に行う。
6.顔/ 口をすぼめ、顔全体を顔の中心に集めるように緊張させる。顔全体を戻して脱力
する。
7.腹部/腹部に手をあて、その手を押し返すように緊張させる。腹部を緩めて脱力する。
8.足の下/爪先まで足を伸ばし、足の下側の筋肉を緊張させる。力を緩めて脱力する。
9.足の上/足を伸ばし、爪先を上に曲げ、足の上側の筋肉を緊張させる。力を緩めて脱力
する。
10.全身/1~9までの全身の筋肉を一度に緊張させる。力をゆっくりと抜き、脱力する。
緊張させるときの力は全力の6~7割程を目安にしてください。また、力を入れたとき・力
を抜いたときの感覚をじっくり感じ取ることが重要です。
全身やるのは流石に面倒だ!という人は上腕・背中・肩だけでも複数回行うとリラクゼーションできると思います。
いかがでしたでしょうか?緊張・脱力のコントロールが上手くなることで日常生活での疲
労感の軽減も期待できます。是非試してみてください。